地中熱について
地中熱の普及状況
環境省では、地中熱利用の省エネ効果や排熱を大気中に放出しない特徴が地球温暖化防止やヒートアイランド対策技術として期待できるとし、 その普及について調査を行い公表しています。
地中熱ヒートポンプシステムの設置件数推移(環境省、2015)
新潟県内では2012年以降の設置件数が急速に増えています。2011年では13件でしたが、2015年では102件となりました。
地中熱利用ヒートポンプの新潟県内での設置件数(2015.6) 新潟県地中熱利用研究会調べ
2012~2013年の2年間での新潟県設置件数の伸び数は、北海道、秋田県に続いて全国3位となっています。これは、2011年10月の家庭用地中熱利用ヒートポンプ コロナジオシスの発売と2012年2月の新潟県地中熱利用研究会の発足と時期を同じくしています。
データ:環境省報道発表(H24.11.13、H27.1.27)地中熱利用ヒートポンプシステムの設置状況調査の結果について
また、導入箇所は全国では主に住宅・事務所・公共施設での冷暖房・給湯や道路融雪に多く利用されていますが、その他に工場、学校や保育園、医療施設や福祉施設、店舗、農業施設(主に温室)等多岐にわたって利用されています。
地中熱ヒートポンプシステムの導入施設別設置件数(環境省、2015)
新潟県内でも同様の傾向ですが、事務所・福祉施設・農業施設・公共施設の割合が高くなっています。
新潟県内の導入箇所別設置件数(2016.7) 新潟県地中熱利用研究会調べ
用途別では、空調(冷暖房)が大半ですが、新潟県という土地柄を反映し、融雪にも多く利用されています。
新潟県内用途別設置件数(2015.6)新潟県地中熱利用研究会調べ
このように、近年急速に普及が進んでいる背景には、国の再生可能エネルギー施策の中に地中熱が取り入られるようになり、補助金制度も整いつつあること、東日本大震災以降、国内における再生可能エネルギーへの関心が高まったことなどが考えられます。
また、これを後押しするように、地中熱利用ヒートポンプ市場および地中熱交換器(Uチューブ)市場への国内メーカーの参入が続いて、ユーザーが地中熱を導入しやすい環境も整ってきたことも一因にあると考えられます。